月の満ち欠けアノマリーというのをご存知でしょうか?
月の満ち欠けが金融商品取引の相場に影響を及ぼすという話です。
株やFX市場ではこの法則を一つの指標としているトレーダーがいるらしく、仮想通貨の取引にも当てはまるのでは?という見方もあるようです。
ちょっとスピリチュアル寄りのネタになりますが、月の満ち欠けアノマリーというのが面白そうだったので調べてみました。
この記事の目次
月の引力が人体に影響を及ぼす!?
そもそも月の満ち欠けが相場に影響を及ぼすという考えは、アメリカ人精神科医アーノルド・L・リーバー氏が1984年に出版した著書『月の魔力』で述べた「月の満ち欠けが、人間の行動や感情などに何らかの影響を与えている」というバイオタイド理論が基にあるそうです。
バイオタイド理論では、「水分80%、陸地20%の地球で月の引力により潮の満ち引きが起こるならば、70~60%が水分でできいる人間にも月の引力が何かしら影響を与えているのではないか」と考えられていて、実際にリーバー氏が統計をとったところ、満月の日から前後三日以内がもっとも殺人事件の発生件数が多かったそうです。
他にも出産率、暴行事件、交通事故などが増加傾向にあったとのこと。
殺人事件という部分では、切り裂きジャック事件、ボストン絞殺魔、サムの息子事件などの歴史的な猟奇殺人も満月の日に起こったと言われてるのだとか。
バイオタイド理論の信憑性
海が動くのだから人間にも何かしら影響があってもおかしくなさそうですが、このバイオタイド理論には科学的根拠がないとされているみたいです。
というのも、リーバー氏が統計として取ったデータはフロリダ州とオハイオ州の一部地域のものしかなく統計としては偏りがありすぎる点や、統計解析方法に不明な点が多く、自分の説に都合よくデータを取り出している可能性もあると批判を受けているのだとか。
確かに2つの州の一部地域だけのデータでは信頼性が低いですよね。
その他にも、満月の日に出生率が高くなるという統計データも今のところ確認されていないそうです。
僕も気になったのでボストン絞殺魔事件とサムの息子の犯行日を調べてみたんですが、ボストン絞殺魔事件は13件中1件、サムの息子事件は13件中2件しか満月・新月に当てはまらなかったです。
面白そうな話だとは思ったんですが、現時点でバイオタイド理論は疑似科学という域を出ない話みたいですね。
満月の日は交通事故が増える!?
リーバー氏以外にも月の引力と人体の関係を調査している方がいました。しかも日本に。
その方は、元兵庫県警察本部交通企画事故統計係の黒木月光(くろき つきみつ)氏。
月光と書いてつきみつ、月の申し子のようなお名前ですね。
黒木氏が警察時代に行った全国人身事故約580万件、死亡事故約9万5000件のデータ調査よると、
- 死亡に至るような大事故は満月と新月に集中して発生している。
- 死亡者を出さないような人身事故は上弦・下弦の月のときに集中して発生している。
ということが分かったそうです。
現在、黒木氏が運営しているコスモリズムのサイトでは次のように説明されていました。
この月齢と交通事故の関係の研究は、私が警察時代から悲惨な交通事故を減少させたい思いから、今日に至るまで、長年の調査研究をしてきたものです。
満月・新月時期には、体内の組織が緊張し、神経が興奮状態になり、スピードの出しすぎなどによる「暴走型」の事故が多くなり、上弦・下弦時期には、逆に緊張がゆるみ、注意力が散漫になり「うっかり型」の事故が多くなります。
この研究は、皆さんが人生の航路を暗礁や浅瀬に乗り上げずに無事に航海を終わらせるための、いわば羅針盤のようなものです。
皆様の生活にうまく取り入れていただき、悲惨な交通事故を起こさないために、ご活用下さい。
満月・新月の時は興奮して、上弦・下弦の月のときは注意力散漫による事故が多いということなんですね。
それにしても調べているデータの量が凄いですね。これはリーバー氏のデータより信憑性があるのではないでしょうか。しかも全国版です。
バイオタイド理論はデータの偏りから疑似科学と言われてますが、黒木氏の研究はそれなりに信頼できそうですね。
人体への影響ではないですが、この2つの研究以外にもウミガメや珊瑚の産卵が満月の日に行われていたり、大地震が満月・新月の3日以内に起きているという調査報告があるそうですよ。
月の満ち欠けと金融商品取引相場
前置きが長くなりましたが、月の満ち欠けと金融商品取引相場の関係について見ていきます。
株やFX市場では「月の満ち欠けによるアノマリー」というのがあるそうなんです。
アノマリーというのは、根拠はないけれども比較的当たるとされる経験則のことで、満月や新月の日には相場が荒れたり、転換しやすいんだとか。
これについてはいくつかの証券会社でも語られていました。
必ず当てはまるわけではないというのが前提ですが、
- 満月・新月の日は相場が荒れるというより、転換点になりやすい。
みたいですね。
このアノマリーはFXにもあるようです。FXのほうはこちらのサイトを見てみてください。
仮想通貨にも月の満ち欠けによるアノマリーはある?
仮想通貨にも月の満ち欠けアノマリーはあるのでしょうか?
調べてみるとこんなのがありました。
2016年12月後半~2017年3月半ば。
2017年3月後半~2017年7月前半
2017年7月後半~11月前半。
2017年12月半ば~2018年3月末。見切れてますが12月18日は新月です。
黒丸が満月で、白丸が新月です。
こちらのチャートで2017年1月から7月前半までを見ると、満月前後で売りが多くなってますね。
2017年7月後半以降は、満月で買いに転じ、新月で売りに転じてることが多いですね。
3月31日は満月でしたので、次の新月である4月16日前後では売りに転じて価格が下落するのでしょうか・・・。
仮想通貨と月の満ち欠けに関してはTwitterでも話題になったようです。
ビットコイン、50%下げたのはお月様のせい-悩める市場に新説が登場 https://t.co/jpTPIDG0p4 @businessさんから
— 満州中央銀行 (@kabutociti) January 17, 2018
昨年前半までは満月でガラる感じだったけれど、最近は新月が危ない。 https://t.co/GNCZtG6ylq
— AKAGAMI 卍 (@kanakagami1978) January 17, 2018
こういった情報を見ていくと、月の満ち欠けによるアノマリーは仮想通貨(ビットコイン) にもある程度当てはまりそうですね。
アノマリーを意識する方が一定数いるから相場が動くのか、はたまた月の引力が投資家心理に影響を及ぼしているのか。
恐らく前者だと思いますが、こういう面白い見方も一つあるよということで覚えておくと良さそうですね。
まとめ
月の満ち欠けアノマリーのことを調べてみると、バイオタイド理論から始まり、黒木月光氏の交通事故調査、ウミガメとサンゴ、大地震などなど、月と地球、月と人体に関するダイナミックで神秘的な世界を垣間見ることができました。
人の肉体や精神に月の引力が影響しているかどうかは別として、金融商品取引市場では「満月と新月の日前後に相場が転換しやすい傾向にある」というアノマリーはあると思います。
このことはビットコインのチャートにも表れているので、仮想通貨においても一つの指標になるのではないでしょうか。
以上、仮想通貨と月の満ち欠けアノマリーでした。