この記事の目次
リップル(Ripple)の概要
リップル(Ripple)は、2004年にカナダのエンジニアRyan Fugger氏によって考案された分散型台帳技術を利用した送金ネットワークです。後にRyan Fugger氏よりRipple Inc.に譲渡され、現在はRipple Inc.が開発を継続しています。
リップルは銀行などの金融機関が抱える送金インフラの問題点、国際送金にかかる時間、送金手数料を改善することを目的に作られました。
銀行を利用した国際送金では、送金先の銀行までの間にいくつかの中継銀行を挟むことが多く、その分だけ送金時間・手数料がかかります。
リップルネットワークを用いると、中継銀行の代わりにネットワーク内に存在するXRPという通貨で異なる通貨を交換し、目的の送金先銀行に瞬時に送金することができるようになります。リップルのトランザクションは約4秒で完了するため、国際送金にかかる時間を大幅に削減することができます。手数料もわずかなため、送金手数料も大幅に削減できます。
また、現在開発中のILP(インターレジャープロトコル)がリップルネットワークに組み込まれると、銀行間の送金だけでなく、クレジットカード、他の仮想通貨、マイレージなどのポイント、株、証券、知財などあらゆる価値間での価値の交換ができるようになります。
リップル・XRPの基本情報
正式名称 | Ripple(リップル) |
通貨シンボル(通貨コード) | XRP(エックスアールピー) |
現在価格 | |
最小単位 | 1drop = 0.000001XRP |
発行上限枚数 | 1000億XRP |
承認方法 | PoI(Proof of Importance)※新規発行はありません |
考案者 | Ryan Fugger |
管理/運営団体 | Ripple INC. |
公式サイト | https://ripple.com/ |
公式SNS |
リップル(Ripple)とは?
リップルは、ビットコイン、イーサリアムと並んで有名な仮想通貨です。
リップルの時価総額は現在約3兆円、時価総額ランキングはビットコイン、イーサリアムに次いで3位となっています。
リップル(Riiple)という名称は仮想通貨の名前だと思われがちですが、正確にはネットワークや運営企業の名前で、仮想通貨の名称ではありません。ただ、一般的にはあまり区別をつけずに単にリップルという単語を使うことが多いので、それらが指すものを理解しておくと混乱を避けることができると思います。
リップルという言葉が指すものは、
- リップルネットワーク全体、リップルのシステムを指す。
- リップルを開発・運営している企業、Ripple Inc.を指す。
- リップルネットワーク上で利用される通貨XRP(エックスアールピー)を指す。
このように、リップルのネットワーク上で使われる内部通貨のことをXRP(エックスアールピー)と呼びます。このXRPが、取引される仮想通貨の名前ということになります。
リップル(Ripple)の特徴
リップルは、銀行などの金融機関が抱える送金インフラ問題の改善を目的に作られた仕組みです。
冒頭でも書いたように、もしあなたが日本国内の銀行口座から海外の銀行口座にお金を送金しようとすると、間にはいくつかの中継銀行を通すことになります。そのため中継銀行の数が多いほど送金にかかる時間と手数料が多くなります。また、送金理由によっては途中の中継銀行で送金が中止され、2-3日待ったあげくに送金できない。といったことも普通にあります。
そういった問題を解決し、あらゆる通貨間での送金を瞬時に行えるようにするというのがリップルです。
そのリップルには次のような特徴があります。
- XRP Ledger→取引台帳(ビットコインでいうブロックチェーン)
- Proof of Consensus→他の通貨とは異なる承認アルゴリズム
- Ripple Inc.→中央管理者の存在
- XRP→リップルネットワーク内での内部通貨
- ILP→異なる価値(規格)間での価値交換を可能にする仕組み
それではこれらを見ていきましょう。
XRP Ledgerとは?
リップルでは、取引データをXRP Ledgerという台帳に記録して管理しています。そしてこの台帳は、リップルのネットワークに参加しているコンピューターで分散管理しています。
ビットコインなどと同じく台帳を分散管理することで、データの改ざん防止、ゼロダウンタイム(ネットワークが止まらない)、維持管理コストの削減ができています。
ここまではビットコインや、イーサリアムなどのブロックチェーン(台帳)と変わりません。
しかし、リップルのXRP Ledger(台帳)が、ビットコインやイーサリアムといった他の仮想通貨のブロックチェーン(台帳)と異なるのは、その台帳に取引データを追加するコンピュータを決める方法にあります。
Proof of Consensusとは?
ビットコインやイーサリアムでは、台帳(ブロックチェーン)に取引データを追加するコンピューターを選ぶ方法としてPoW(Proof of Work)が採用されています。
PoWとは、ネットワークに参加する不特定多数のコンピューターに高い計算処理能力を必要とする暗号を解読させ、一番早く解読したコンピューターに台帳へ取引データを追加する権利と、その作業料として報酬が支払われるものです。詳しくはこちらをご覧ください。
一方リップルでは、Proof of Consensusという方法が採用されています。
Proof of Consensusでは、リップルネットワークに参加するコンピューターの中から選出されたValidatorと呼ばれるコンピュータが取引データを台帳(XRP Ldeger)へ追加します。
現在、ValidatorはそのほとんどがRipple Inc.が管理するコンピュータとなっています。
つまり、ビットコインやイーサリアムのようにネットワーク参加者の誰もが台帳へ取引データを追加できるのでなく、Ripple Inc.が決めた参加者しか台帳へ取引データを追加できないようになっています。
Ripple Inc.とは?
Ripple Inc.は、リップルの開発・運営を行うアメリカの法人です。リップルの考案者Ryan Fuggerからリップルを譲渡されたOpenCoin Inc.が2013年にRipple inc.へ社名を変更して現在のRipple Inc.となりました。
リップルは、銀行などの金融機関が抱える送金インフラ問題の改善を目的に作られた仕組みでなので、Ripple Inc.のビジネス対象は主に銀行や金融機関となります。
現在、Ripple Inc.はすでに多くの銀行、金融機関と提携を始めています。
銀行は国と密接に関わっていて、運営には様々な制約があるため、どんなに便利な技術でもそれを取り入れてもらうには多くのしがらみを解消し、高度な要求に対応する必要があります。
リップルが他の仮想通貨技術と異なり、企業によって開発・運営が行われている点や、先述のProof of Consensusを採用しているのには、銀行や金融機関が求める厳しい要求に応える必要があったからと考えることができます。
そして今、Ripple Inc.の提携先は銀行や金融機関だけでなく、世界中の様々な企業に広がっています。
ILP(インターレジャープロトコル)とは?
ILP(インターレジャープロトコル)は、Ripple inc.が開発を進めている「異なる価値(規格)間での価値の交換」を実現するための仕組みです。
例えば、あなたが銀行口座に10万円の預金と、ビットコインウォレットに1BTC(仮に100万円相当とする)を持っていたとします。
Bさんの銀行口座に50万円振り込む必要が出てきました。
この状態だとAさんの銀行口座には10万円しか預金がないので、Bさんに50万円払うことができません。もし払うとしたら、ビットコインを取引所で売却する必要があります。
ILPが実現すると、50万円の日本円を持っていなくてもビットコインでそのままBさんに支払いができるようになります。
このように、価値が異なるモノの間でも価値の交換を行えるようにする仕組みがILPです。
ILPがリップルネットワークに実装されると、異なる法定通貨間はもちろんのこと、仮想通貨、クレジットカード、マイレージなどのポイント、株、証券、知財といったあらゆる価値(規格)間での価値交換ができる世界が実現されます。
XRP(エックスアールピー)とは?
XRPは、リップルネットワーク内で用いられる仮想通貨です。
XRPの役割は主に次の2つです。
- ブリッジ通貨
- システム利用料
ブリッジ通貨としてのXRP
ブリッジ通貨としてのXRPの役割は、異なる法定通貨間の交換や、異なる仮想通貨間での交換を行う際に、XRPを橋渡しとして使うことで、海外送金時の中継銀行を必要としなくなります。それによって海外送金時の送金時間と手数料を削減することができます。
システム利用料としてのXRP
リップルネットワークを利用するためにはシステム利用料が必要です。この利用料はごく僅かで現在は0.000001XRPつまり1円以下です。この手数料は誰に払われるかというと、誰にも払われません。Ripple Inc.にも払われません。どこへ行くかというと、破棄されます。
なぜ破棄するのに利用料として徴収するのか?これはリップルネットワークへの攻撃や負荷を防ぐためにあります。
意図的・偶発的にリップルネットワークへ攻撃や、負荷をかけるユーザーには手数料が高くなるように設計されています。
つまり、リップルネットワークへ攻撃を仕掛けようとする者には高額な手数料が設定されるため、攻撃者がすぐに破綻します。このようにネットワークを円滑に機能させるのがシステム利用料としてのXRPです。
リップル(XRP)の今後
これまで見てきたリップルの壮大なネットワークですが、2017年10月から金融機関によるXRPを利用した実送金が開始されています。
リップルが実際に使われるようになると海外送金の流れが大きく変わり、銀行や金融機関の業務内容にも変化が起きることは皆さんご存知だと思います。
実はこの他にも世の中に新しい変化が生まれる可能性があります。
それがマイクロペイメントです。
マイクロペイメントとは、通常の決済システムでは経費が掛かりすぎて現実的ではない超少額決済のことです。
極端な例でいうと、仮に10円を銀行で送金しようとしたとき、送金手数料の方が送金額の10円よりも高くなるため誰もそんなことはしないですよね?
しかしリップルのシステムを利用すると、非常に僅かなシステム利用料で送金できるため、10円の送金も1円以下で行うことができます。
これがインターネットを利用したサービスであれば、動画の再生1回で5円で視聴料を徴収したり、ブログ1記事を1円で閲覧料を徴収するといったことも出来るようになります。
今まで無料だったものが有料化されるというといった考え方もあるかもしれませんが、今までコストがかかりすぎて無料もしくは低料金では提供できなかったサービスが生まれてくる可能性も十分にあります。
銀行、金融機関、企業だけでなく、私たちのライフスタイルが大きく変わる可能性がある。それがリップルです。
リップル(XRP)を買うのにおすすめな取引所は?
取引所を使って日本円でリップルを買う
取引所を使って日本円でリップルを買えるおすすめの取引所をご紹介します。
簡単に言うと取引所のほうが販売所よりお得にリップルを買うことが出来ます。
販売所と取引所の違いはこちらのページで詳しく紹介していますので、興味がある方はご覧ください。
- リップルを少しでもお得に買いたい。
- トレード画面を使ってリップルを取引してみたい。
販売所を使って日本円でリップルを買う
販売所を使って日本円でリップルを買えるおすすめの取引所をご紹介します。
簡単に言うと販売所のほうが取引所より割高にはなりますが、その分トレード画面を使わなくても簡単に希望の枚数を購入できます。
販売所と取引所の違いはこちらのページで詳しく紹介していますので、興味がある方はご覧ください。
- リップルを買ってみたいけど、取引してる時間はない。
- リップルを買いたいけどトレードとかは難しそうだからできるか不安。
リップルを買える販売所一覧
国内の販売所でリップルを日本円で買えるのはGMOコインです。
リップルでFX取引をする
FX取引なら相場が下がっているときでも利益を出すチャンスがあります。
リップルでFX取引をするなら下記2つの取引所があります。
- 取引所QUOINEXで板取引する。
- 販売所DMM Bitcoinで取引する。
リップルのFX取引ができる取引所・販売所一覧